慶應義塾大学通信の館

通信大学の未来

 ここ2〜3年の間に、大学を社会人に開放しようという動きが急です。その一つが、夜間大学院の開設であり、社会人特別入試の導入です。しかし今のところ、通信教育による大学院の制度は日本にはありません。ところが、英米ではすでにそうした通信制大学院があり、一部の学校では日本にいながらにして博士号まで取れるのです。
 大学がどんどん大衆化しています。といっても、大学のレベルが落ちているのではなく、大衆が高学歴化しているのです。決してその逆ではありません。
 これまでは、6・3・3制あたりで十分でした。今は、これで十分というところはないのです。6・3・3・4どころか、「生涯教育」の時代なのです。これは、欧米ではもはやあたりまえのことになっており、たとえばアメリカのコミュニティカレッジでは、市民が学びたいときにいつでも学べるシステムができているのです。
 日本では、いまだに大学は、高校卒業者の一部が行くものであって、社会との接点が希薄です。しかし、これからどんどん変わって行くだろうと思います。世の中には、面白いものがたくさんありますが、学問ほど面白いものはそうそうないからです。また学問なり知識が目に見えて重要視されてきています。これから、ますます変わっていくのではないでしょうか。
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