このページは慶應義塾大学の通信教育課程に入学はしたけど、学習計画の立て方がわからない、思うように単位が取得できない、といった方たちを対象としています。現在勉強が思うようにはかどらない方の力になれればと思います。
さて、慶應通信の卒業率が約5%とされていますが(これ正確なのか?)、卒業までたどり着けないほとんどの人が、単位を全く取得せずに辞めていくと聞いたことがあります。このような状況に陥らないため、まず、総合教育科目の単位を効率よく取得(学習計画を初めからきちんと立ててということ)する、レポート提出から科目試験合格までのリズムをつかむということが大切ではないでしょうか。総合科目を制覇できれば卒業までの道筋も見えてきます。
※偉そうなタイトルがついていますが、履修計画の提案にすぎません。既に慶友会に入会している方や相談できる塾生がいる方には無用の情報です。
単位の取得に苦戦している人の話を聞くと、履修の計画なく、たた漠然と学習していることが多いことに気付きます。学習分野、テキストかスクーリングかにより必要となる単位、限度が異なりますので、初めのうちにしっかりと計画を立てる必要があります。
さて、総合教育科目では卒業所要単位として、48単位以上が必要となります。その内、3分野科目(人文科学、社会科学、自然科学)では、32単位以上を取らなければなりません。48-32の残り16単位は、必修外国科目(テキスト+スクーリング)で8単位を取り、後の8単位は選択外国科目、保健体育、3分野科目の中から任意に選んで履修することになります。
先ほどお話した通り、3分野科目は32単位以上が必要となりますが、1分野につき、2科目以上6単位以上を修得して上記32単位以上の要件を満たさなければなりません。さらにその32単位のうちテキストで学習して取得しなければならないのが24単位以上です。
ここで、テキストで学習する科目を選択する必要が出てきます。何を選択するかは各人の自由ですが、このページを読んでいる方は、過去の私と同様に単位取得に苦戦していることを想定し、比較的結果の出やすい履修計画を提案します。(スクーリングに最大限の出席をすることが前提です)
まず、3分野には様々な科目が開設されていますが、4単位のもの2単位のものがあることを確認して下さい。テキストで学習して取得する必要があるのが24単位、全て4単位の科目を選択すれば、たった6科目を学習すればいいことになります。入学してから次々とテキストが送られてきますが、全てを学習しなければならないわけではありません。その6科目について学習しやすいのは、人文科学(文学)、社会科学(法学、政治学、経済学、社会学)、自然科学(地学)です。全て4単位ですのでこれで24単位になります。人文科学、自然科学については、1科目しか選択してないためスクーリングで、1分野、2科目以上6単位以上を満たす必要があります。
※経済学部は統計学が必修であったり、学部により選択には注意が必要です。
なぜ、文学(D郡)、法学(A郡)、政治学(E郡)、経済学(A郡)、社会学(C郡)、地学(C郡)が結果が出しやすいのか。(注意:郡が同じ科目は同時に試験を受けられません)
科目試験には持込ができる科目が存在します。上の科目でいうと社会学と地学は持ち込みができます。持ち込みができる科目では、原則としてテキストでもノートでも試験中に参考することができます。社会学についてもテキストを要約するような問題が出題されます。不謹慎な言い方ですが、持込可の科目は受ければ何らかの評価をもらうこと可能だと思います。
経済学については、ほとんど過去問から出題されます(※たまに新規の問題の出題あり)。過去5年分ほどの過去問を入手し、問題と答えをノートに書き出し、暗記することで対応することができます。テスト内容は難しいですが、この意味で単位を取得しやすい科目といえます。
これで残り3科目(文学、政治学、法学)
文学については、テキストを大体把握しておくことが必要です。しかし、採点はそんなに厳しくありません。過去問からたまに重複した出題があります。科目試験の勉強方法として、テキストを一読した後、過去5年分ぐらいの過去問を出題されているテキストのページに直接書き込み、どのような出題傾向なのか、過去何が問われたのかを参考にテスト前にテキストを読めば十分だと思います。採点がシビアでないというのは、出題に対して何らかの答えをテキストの内容にそって書いてあれば単位がもらえるという意味です。注意:文学のレポートは引用の仕方、参考文献挙げ方などレポートの形式が厳格です。内容が良くても形式が整っていないとD判定です。
政治学については、出題される問題のレベルはそれほど高くないと思います。過去問から出題されるとは限りませんが、過去門で出題傾向をつかんだ上で試験に臨むべきです。
法学について。この科目の試験は、括弧内の問題をうめるだけというときと、論述形式の時とで難易度が異なります。もちろん前者のほうが断然簡単です。自分が受ける試験は括弧内をうめる問題が出題されることを祈ってください(笑)。論述対策のため、過去問で出題傾向をチェックし、過去門が何度も重複して出題されているのか、どのような問題が問われるのかを把握してテストに臨むのがベストでしょう。
もちろん、上記科目以外を選択するのは自由です。しかし例えば、歴史系は手始めに勉強しやすい科目ですが、2単位の上、結構試験は難しい(範囲広い)です。スクーリングで取得するというのも手です。2単位の科目については同様のことが言えます。また、統計学、論理学は総合科目の中でも非常に難解であり、物理、化学、生物学はテキストとスクーリングの両方が必要であり手間がかかる(持ち込み可だからテストは楽勝ともいえるが)。以上の理由から、上記六科目がお勧めです。あくまでも参考までに。
以上の科目についてあえてレポートについてはふれませんでした。レポートは何を参考にして書いても自由ですし、当然参考文献を見ながら作成できるのでコツさえつかめば楽勝です。初めてレポートを作成する方、レポートを提出したけどD評価で酷いコメントをつけられた方、コツをつかむには誰かのレポートを参考にさせてもらうのが一番わかりやすいですよ。
過去問を参考にする意味
数年前まで過去問の存在は各慶友会内での秘密でした。したがって、慶友会に所属しないと過去問は入手できないのが現実でした。しかし現在では、大学側から配布されています。
さて、なぜ過去問を参考にするのでしょうか。まず、出題形式をつかむ意味があります。「テキスト一冊の中から何らかの問題が出題される」というのでは勉強する範囲が広すぎ、対策がとれません。どういう問題が出題されるのかを知ることで、出題を予測しながら学習することが可能になります。そして、試験に出題されるところは、大学側が理解しているか否かを判断したい非常に重要なところでもあり、何回も重複して出題される可能性は高い部分でもあります。ここを抑えておけば・・・。ただし、同年度の中で重複した出題はほぼありません。
次にスクーリングについてです。
慶應義塾大学の通信教育は8月に日中のスクーリング、10、11月頃に夜間スクーリングがあります。社会人に8月の日中のスクーリングへの出席を求めることは非常に難しいですよね。夜間スクーリングなら・・・地方在住(私もです)の人はどうすればいいのでしょう。地方在住の人はこの点で不利です。しかし、なんとか都合をつけて、スクーリングはできる限り出席すべきです。、スクーリングに行けば確実に単位を取得できるし、読むだけの学習と異なり、授業は理解しやすく興味をそそられるものばかりです。地方の方はホテルをどうするか金額で悩むところですが、学生会館を利用すると一泊三千円程度とのことです。
さて、前回のテキスト科目で単位を取得するとして24単位、3分野科目で取得しなければならないのが32単位、総合教育科目のスクーリングは12単位全て出席すべきです。慶應の通信で一番の難関は外国語科目にあります。必修外国語科目の8単位はもちろん履修しますが、それ以上に選択外国語科目を勉強するのは大変と感じられる方が多いと思います(もちろん外国語が得意な方は頑張ってください)。この選択外国語科目を履修しない代わりに、3分野科目のスクーリングで4単位分を補充する必要があります。したがって、3分野科目のテキストで24単位、スクーリングで12単位で36単位を取得することになります。
また、保健体育でも4単位取得すべきです。保健体育を全く履修しなくても3分野科目でその分補充すればいいのですが、3分野科目で4単位を取得するのと、保健体育でそれを取得するのでは後者の方が断然簡単です。保健体育では、実技(スクーリングで各種スポーツを選択)で2単位+テキストで2単位、若しくは実技2単位×2(スクーリング年度別に2回出席するか、夏の実技と冬のスキースクーリングに出席するか)で4単位まで取得できます。
これで3分野科目で取得する36単位と保健体育の4単位で40単位、残すは必修外国語科目の8単位です。
必修外国語科目について
外国語科目は慶應義塾大学通信課程最大の難関です(外国語得意は人は別)。特にこだわりがなければ英語を選択すべきです。英語は必ず勉強してるから。
英語は難易度別にみると、英語Uが一番簡単です。次いで英語T 長文編では英語Zが簡単です。数字と難易度は関係ないので注意して下さい。
英語が苦手な方はたいていこの教科を後回しにします。しかし、英語のスクーリングに出席するにも最低テキストで2単位を取得していなければならず、しかも1月の試験までに2単位を取得してないと翌年8月のスクーリングに出席することができません。後回しにしても最後に自分が困るだけです。
さて対策についてですが、英語のレポートは問題用紙が配布されており、それをやればよいのであまり問題がありません。しかし、多くの人がテストで苦戦されているようです。
英語Uのテストはテキスト内にある問題から出題されるため、テキスト内の小テストを完全暗記することで対応できます。しかし、完全暗記といっても基礎が理解できてないときついので、中学三年間の総復習(一週間でできるやつ)の本を買ってきて一週間で復習しなおしてから勉強するといいでしょう。関係代名詞のあたりにくるともう一度真剣にやらないと思い出せないと思います。長らく英語を勉強していない人は特にです。付属のCDは、科目試験に合格するという点では聴く必要はありません。もちろん英語をがんばりたい方は聞いて下さい。
英語Tのテストはちょっと大変です。問題は2問出題されます。まず一問は、テキストの後ろの方に出ている例文500個ぐらいの中から10問穴埋め形式で出題されます。そしてもう一問は、テキスト前半にある文法の説明をテキストの例文を使用して説明する問題です。なかなか科目試験に受からない人が多いのがこの英語Tです。テキストの説明は多少わかりにくいですが、テキストの例文がそのまま出題されるので、テキストで勉強すべきです。
この英語Tを乗り切るのは大変でしょうから、多少は楽になるアドバイスがあります。例文の500全てを暗記するのが一番ですが、過去5年分の過去問と例文を一個一個検討して、テキストの例文横に、何年何月出題と書き込んで下さい。結構重複して出題されている例文があります。まずはそういったものを先に暗記すべきです。そして、英語Tの科目試験を受けるのは1月がいいのではないでしょうか。というのも、4月、7月、10月の科目試験にどの問題が出題されたかわかれば、その問題は1月の問題には出題されないからです。文法についても過去問を検討して、過去に出題があった問題はテキストに書き込んでください。かなり出題されやすい部分が重複しています。また、全く出題されない部分については時間の余裕がない限り、文法については無視すべきです。重要度が低く出題可能性が乏しいからです。そして、文法を使って説明する例文はいくつかそのページの中に挙げてありますが、その中から、テキスト後ろの500の例文での説明だけを憶えます。意味がわかりにくいかも知れませんが、英語Tテキストの構造として、文法の説明と例文がいくつか挙げてあり・・・最後の例文500は文法の説明例文の中から抜粋したものなのです。文法についても4月、7月、10月に出題された問題は出ませんのでかなり的を絞ることができます。
英語Zについて、出題傾向を予測するのは難しいと思います。物語をしっかり理解するしかないのでしょう。出てくる文法はそんなに高度なものではありません。全訳文も密かに出回っているみたいですが、テキストの最後に熟語や言い回しの訳がありますし、時間がかかっても約しながら通読すれば特にテスト対策は必要ありません。ほとんどが日本語で訳す問題だからです。過去問でどんな問題が出題されているか確認して下さい。
以上と英語スクーリング2単位をあわせて8単位、前回までの40単位とあわせると、総合科目の単位を全部取得したことになります。
以上です。
長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。